病7-2_WEB立ち読み
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●血管内治療:endovascular therapy ●血栓回収療法:thrombectomy ●カテーテル:catheter ●脳梗塞:cerebral infarction ●血栓:thrombus ●頸動脈ステント留置術(CAS):carotid artery stenting ●コイル塞栓術:coil embolization ●遺伝子組換え組織プラスミノゲンアクチベーター(rt-PA):recombinant tissue-type plasminogen activator ●脳卒中ケアユニット(SCU):stroke care unitAn Illustrated Reference Guide●脳梗塞の超急性期における再開通療法には,本章で解説する血栓回収療法の他,rt-PA静注療法がある〔p.90〕.●現時点では最も有効性のエビデンスが確立された治療法はrt-PA静注療法であるため,血栓回収療法の位置づけは基本的に第二選択である.●血栓回収療法は,適応患者を厳密に選択する他,施設・設備,実施医師の基準を満たした医療機関で行う必要がある(CTまたはMRIが24時間可能,SCU完備,十分な経験と知識のある医師など).X線透視装置●脳梗塞急性期の治療としては,ウロキナーゼ局所動注療法も血管内から血管閉塞部へアプローチすることから血管内治療に含まれるが,ここでは,血栓を機械的に取り除く血栓回収療法を中心に解説する.術者●血栓回収療法は,閉塞血管の血栓を取り除いて再開通させ,急性期脳梗塞の拡大を防ぎ,機能的予後を改善させる治●大腿動脈などからカテーテルを挿入する.●血栓除去により血管が再開通し,中大脳動脈の末梢が造影されるようになる.●血流の再開により,神経症状●中大脳動脈が閉塞しているため,閉塞部より末梢は造影されない.●各種の血栓回収デバイス〔p.95〕を使用して,●適宜血管造影を行い,ガイドワイヤーを用いて,カテーテルを血管閉塞部まで誘導する.●脳血管障害に関連する血管内治療としてはこの他,頸動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術(CAS)〔p.108〕,くも(rt-PA静注療法)●rt-PA静注療法を施行したが再開通を見こめない94 開頭せずに病変にアプローチ 血管内治療とは●血管内治療とは,カテーテルを用いて血管の内側から病変へ到達し,種々の治療を行う方法である.カテーテル治療ともよばれる. 基本的にrt-PA静注療法を優先 血栓回収療法の適応血栓内頸動脈大腿動脈カテーテル血栓を取り除く.原則として発症8時間以内の脳梗塞患者で,●rt-PA静注療法の適応外またはrt-PA静注療法の有無にかかわらず,少しでも早く治療を開始モニター:術中の血管撮影や,術前のCTA,MRAを表示する.治療後血流が再開する血栓を除去の改善が見こまれる.血栓回収療法のよい適応になる閉塞血管は,内頸動脈および中大脳動脈です.監修山上 宏血栓回収療法の概要療である.病変(血管閉塞部)への到達内頸動脈大動脈膜下出血に対するコイル塞栓術〔p.138〕などがある.血栓溶解療法まずはrt-PA静注療法の適応を検討血管内治療中の光景患者:局所麻酔で施行(意識,自発呼吸あり)治療中血管の閉塞により,血流がない血栓回収デバイス中大脳動脈カテーテル血管内治療(血栓回収療法)血管内治療(血栓回収療法)

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