職場の健康がみえる_WEB立ち読み
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健康経営職場における代表的な健康問題●二次的に血管壁がもろくなり,部分的に拡張したり(動脈瘤),破れて出血したりする(脳出血など).●血管内腔が狭くなったり,血液のかたまりが付着したりすることで,血流が悪くなる.●最悪の場合は動脈が閉塞し,血液がその先の臓器に供給されなくなり,心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患が発症する.●血管には柔軟性があり,*いずれも内臓脂肪面積100cm2以上に相当する.メタボリックシンドローム診断基準検討委員会 編:日本内科学会雑誌 2005;94(4):191より改変●内臓脂肪の蓄積がその他の危険因子を招き,動脈硬化性疾患の発症率を高めている状態をメタボリックシンドロ●メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積が危険因子の最上流にあると考えられるため,内臓脂肪の減少を目49Occupational health : An Illustrated Reference Guide低HDLコレステロール血症<40mg/dL ≧130mmHg≧85mmHg≧110mg/dLかつ/または男女ともかつ/または血管壁の脆弱化りゅうメタボリックシンドロームの概念肥満(特に内臓脂肪型肥満)脂質異常高血圧動脈硬化心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患リスク⬆正常血流はよい.日本人のメタボリックシンドローム診断基準内臓脂肪(腹腔内脂肪)蓄積高血糖●❶,●❷,●❸の3項目のうち2項目以上を満たす弾力性・柔軟性の喪失ウエスト周囲長男性≧85cm*女性≧90cm*高トリグリセライド血症 ≧150mg/dL●❶脂質収縮期血圧 ●❷血圧拡張期血圧 空腹時高血糖 ●❸血糖値メタボリックシンドロームと診断動脈硬化 動脈硬化を進行させる メタボリックシンドローム●内臓脂肪型肥満,脂質異常,高血圧,高血糖は,それぞれが動脈硬化の危険因子である.ここでの脂質異常とは,高トリグリセライド血症(中性脂肪高値)および低HDLコレステロール血症(善玉コレステロール低値)を指す.●これらの危険因子を複数もつ場合は,たとえそれぞれが軽度であっても,危険因子の数が増えるごとに加速度的に動脈硬化性疾患〔p.50〕を発症する率が上昇していく.ームという.的とした生活習慣の改善が,動脈硬化の予防となる. 動脈壁が硬く肥厚する 動脈硬化とは●動脈は心臓から全身へ送られる血液の通り道であり,その血液中の酸素や栄養が各臓器に供給される.●この動脈の血管壁が,様々な原因によって傷つき,硬く肥厚した状態を動脈硬化という.●動脈硬化が進行すると,血管内■■■■腔が狭くなったり,血管壁がもろくなったりすることで,様々な疾患が引き起こされる.

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