病6-2版_立ち読み
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●浮腫:edema ●結膜充血:conjunctival injections ●無呼吸発作:apneic spell ●チアノーゼ:cyanosis ●移行抗体:maternal antibody ●脳症:encephalopathy●百日咳の痙咳発作では,突然けいれんするような連続性の咳(スタッカート)に続いて,吸気時に笛声音(wウーピング●この痙咳発作を数回〜数十回繰り返すことをレプリーゼという.●非発作時は無症状であることも特徴である.●母体由来の移行抗体(IgG)〔p.25〕では百日咳を防ぐ●乳児では特有の咳嗽症状を示さず,無呼吸発作(死●小児や成人に比べ症状が重篤化しやすく,脳症な●痙咳発作は何らかの刺激により誘発され,夜間に出現することが多い.●発作後にはしばしば嘔吐を伴う.●息を詰めて咳をするため顔面浮腫や結膜充血などを生じ,これを百日咳様顔貌とよぶ.●立て続けの咳のせいで狭くなった声門部に,一気に吸気が通過することで生じる.(5〜10回繰り返す)グラム陰性菌感染症百日咳コンコンコンヒュコンンコ2.23.23.04.68.6229An Illustrated Reference Guide(%)100090807060504030201021.83.0 13.522.618.111.8 8.1 8.5 46.76.7 4.5 13.0 レプリーゼが特徴的 痙咳発作 重篤になりやすい 乳児の百日咳小児の疾患というイメージが強い百日咳ですが,近年,成人の患者が増加傾向にあります.厚生労働省の感染症発生動向調査によれば,2016年は百日咳患者のうち20歳以上の人の占める割合が20%を超えました.この原因として,百日咳菌への自然曝露の機会が減ったために,ワクチン接種から長期間経過している成人の抗体価が低下していることが推測されています.また成人が本症に罹患した場合は症状が典型的ではなく,ウイルス性の上気道炎と診断され見逃されてしまうことが多いため,成人間で感染が広がりやすいことも考えられます.本人が発症しなくても,成人の保菌者は重篤化しやすい乳幼児への感染源としても重要視されています.慢性咳嗽のある成人を見かけたら,必ず百日咳を念頭に置きましょう.hooping)が生じる.痙咳発作レプリーゼ(数回〜数十回反復する)ことができないため,乳児期早期でも罹患する.亡の原因)やチアノーゼを生じる場合が多い.どの合併症を伴うことが多い.百日咳の報告症例(年齢別割合)高熱(−)コンコンコンコンコン●● 医療情報科学研究所ヒュ(年)20歳以上15〜19歳10〜14歳8〜9歳6〜7歳4〜5歳2〜3歳1歳0歳20002016厚生労働省:感染症発生動向調査成人の百日咳連続性の咳(スタッカート)無呼吸発作チアノーゼ吸気性笛声(whooping)

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