病6-2版_立ち読み
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●抗菌薬:antimicrobial agent ●細菌:bacterium/bacteria ●微生物:microorganism ●抗生物質:antibiotics ●殺菌作用:bactericidal activity ●静菌作用:bacteriostatic action ●ブレイクポイント:break point ●感受性:susceptibility/sensitivity ●耐性:resistance ●最小発育阻止濃度(MIC):minimum inhibitory concentration ●初回通過効果:fi rst-pass eff ect ●PAE:post-antibiotic eff ectAn Illustrated Reference GuideZzz●抗菌薬とは,細菌を殺滅,もしくは増殖を抑制する薬物である.●作用機序により,次のように分類される.●また,ヒトには免疫機構があり,抗菌薬のみで感染症を治癒するわけではない.●そのため,臨床上,この分類で抗菌薬を厳密に使い分けることはあまりない.静タンパク質合成阻害薬〔p.185〕●マクロライド系薬●リンコマイシン系薬●オキサゾリジノン系薬●ストレプトグラミン系薬●クロラムフェニコール系薬● アミノグリコシド系薬*●テトラサイクリン系薬殺●β-ラクタム系薬■ペニシリン系薬■セフェム系薬■カルバペネム系薬■モノバクタム系薬■ペネム系薬*例外的に殺菌作用をもつ.●グリコペプチド系薬●ホスホマイシン系薬●上記の他,抗結核薬がある〔p.253〕.抗結核薬は使用される場面が限られており,一般的な抗菌薬と殺●リポペプチド系薬●ポリペプチド系薬静●サルファ剤●ST合剤殺●キノロン系薬●ニューキノロン系薬●細菌の増殖を抑える作用であり,生菌数は減少しない.●抗菌薬は,殺菌作用をもつものと静菌作用をもつ●細菌を殺滅させる作用であり,生菌数が減少する.抗菌薬●細胞膜機能障害薬●ただし,この分類は絶対的なものではなく,菌種や投与量によって逆の作用を示すことがある.例え174抗菌薬〔p.175〕分子量が大きな細胞内分子の重さを示すために使用される沈降速度を表す単位.一般に,成分の大きさと形によって決まり,沈降係数(S値)の大きいものほど速く沈む.〔p.176〕ある細菌が抗菌薬に対して感受性(S)なのか,耐性(R)なのかを分けるためのMIC〔p.176〕の境界値をブレイクポイント(基準値)という.ある抗菌薬が臨床的に有効か無効かを判断する際の基準となる.〔p.178〕細菌にMIC以上の濃度の抗菌薬を作用させた後,MIC以下の濃度になっても,細菌の増殖が持続的に抑制される現象.グラム陽性菌に対しては多くの抗菌薬が(程度の差はあるものの)PAEを示す.グラム陰性桿菌に対してはアミノグリコシド系薬などのタンパク質合成阻害薬や,ニューキノロン系薬などの核酸合成阻害薬など一部の抗菌薬しかPAEを示さない.PAEを示す抗菌薬は,投与回数・期間を減らすことが可能である.抗菌薬は,微生物が産生する抗生物質から開発されたものが多い.PAE 沈降係数 ブレイクポイント(基準値) 初回通過効果/肝初回通過効果 〔p.177〕内服薬が経口投与されてから,消化管粘膜で吸収され,門脈を経て肝臓を通過し,循環血液中に至る(体循環に入る)までの間に,薬物が消化管粘膜や肝臓に存在する酵素により代謝を受けること.肝臓での代謝が主なため,肝初回通過効果ともいわれる. 細菌を殺滅あるいは増殖抑制する 抗菌薬とは殺:主に殺菌作用をもつ抗菌薬静:主に静菌作用をもつ抗菌薬 どちらの場合も宿主の免疫機構が働く 殺菌作用と静菌作用細胞壁合成阻害薬〔p.180〕核酸合成阻害薬〔p.188〕は区別されることが多い.マクロファージ好中球主な薬物●細胞壁合成阻害薬 ●アミノグリコシド系薬●核酸合成阻害薬 ば,細胞壁合成阻害薬であるペニシリン系薬は,腸球菌に対しては静菌作用を示す.細胞壁細胞膜染色体リボソーム葉酸合成阻害薬〔p.189〕ものに大別される.主な薬物●タンパク質合成阻害薬(アミノグリコシド系薬除く)●葉酸合成阻害薬細胞膜機能障害薬〔p.190〕静菌作用医師監修笠原 敬殺菌作用細菌最終的に生き残った細菌は宿主の免疫機構によって処理される臨床上,殺菌作用をもつ抗菌薬を使用する必要があるのは,宿主の免疫能が低下しているとき(好中球減少症を含む)や,感染性心内膜炎,髄膜炎,その他の重症感染症の治療時などです.殺抗菌薬総論
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