病みえ5-3
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ⅫⅤⅨⅧⅧⅧⅩaⅡⅠ●本薬は第Ⅷa因子の機能を代替する特殊な抗体で,第Ⅸa因子●1〜4週に1回の皮下注射で出血を予防できること,インヒビターの有無にかかわらず使用できることから従来の凝固因子補充療法より利便性が高い.●第Ⅷ因子の活性化が省略されて反応が進むため,APTTは短止血機構の異常血友病●自己抗体産生による第Ⅷ因子の活●遺伝子異常による第Ⅷ因子・第ⅨX連鎖潜性遺伝検査項目出血の特徴●免疫抑制療法(副腎皮質ステロイド,シクロホスファミドなど)●出血時は,バイパス止血療法●凝固因子補充療法など●エミシズマブ:emicizumab ●先天性:congenital ●後天性:acquired ●膠原病:collagen disease ●悪性腫瘍:malignant tumor ●分娩:obstetric labor ●自己抗体:autoantibody ●活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT):activated partial thromboplastin time ●プロトロンビン時間(PT):prothrombin time Ⅸa●後天性血友病は,膠原病や悪性腫瘍,分娩などをきっかけとし(明らかな基礎疾患がないこともある),後天的に第Ⅷ因子に対する自己抗体が産生される自己免疫疾患である.●先天性血友病とは異なり,出血症状の既往のない人が突然,重症の出血傾向を呈す●治療は免疫抑制療法を中心に,出血時にはバイパス止血療法〔p.286〕を行う.抗原A抗原B医師インヒビター保有先天性血友病〔p.286〕は,治療で補充される製剤由来の凝固因子に対して「同種抗体」が産生されることが原因だが,後天性血友病では自分自身の凝固因子に対する「自己抗体」が産生されることが原因となる.筋肉内出血はどちらでも多いが,関節内出血は後天性では少ない.生まれつきいません20〜30代の女性(分娩時)抗体が原因ですエミシズマブ皮下注射約30日1〜4週に1回あり血栓塞栓症,TMA〔p.275〕などる点が特徴的である.先天性血友病正常正常延長正常なし様々多い多い治療後は比較的良いエミシズマブ第Ⅷa因子の代わりに作用第Ⅹ因子が活性化され,凝固反応が進むエミシズマブのように,互いに異なる2種類の抗原に同時に結合できる抗体を「二重特異性(バイスペシフィック)抗体」とよびます.なし後天性血友病抗体性低下高齢の男女または正常正常第Ⅷ因子低下(第Ⅸ因子はまれ)延長正常なし約半数にあり重症なことが多いまれ多い(皮下出血も多い)死亡率10〜40%287An Illustrated Reference Guide+αもっとわかるAPTTPT家族歴基礎疾患重症度 第Ⅷa因子の代わりに働く エミシズマブ●2018年に血友病Aの定期補充療法の治療薬として新たにエミ 先天性より出血症状が重症 後天性血友病シズマブが承認された. と第Ⅹ因子に結合して凝固反応を正常に機能させる.縮する.血友病Aにおける凝固因子補充療法との比較凝固因子補充療法静脈注射投与方法半減期投与頻度最長19時間週に2〜3回インヒビター発生リスク副作用ショック,発熱,感染症など先天性血友病との比較原因因子の活性低下・欠乏乳幼児の男児好発血小板数出血時間凝固因子活性第Ⅷ因子・第Ⅸ因子低下関節内出血筋肉内出血治療予後

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