10●出血時に必要に応じて行う.●凝固因子補充療法を行った先天性血友病患者では,製剤中の第Ⅷ因子または第Ⅸ因子を非自己と認識し,同種抗体(インヒビター)が発現する場合がある.●インヒビター保有先天性血友病A患者*に対し,定期的に第Ⅷ因子製剤投与を繰り返すことで免疫寛容を誘導する.ⅫⅪⅨⅧ●活性型第Ⅶ因子や第Ⅹ因子などを用いることで,第Ⅷ因子,第Ⅸ因子を介さない凝固(外因系)を活性化し,止血を行う.●血中のインヒビターを中和し,かつ止血できるだけの大量の第Ⅷ因子あるいは第Ⅸ因子製剤を投与する.ⅩaⅡⅡⅠ*血友病B患者においては,成功率が低いことやアナフィラキシー,ネフローゼ症候群がみられやすいことなどから推奨されていない.●自己注射:self-injection ●静脈注射:intravenous injection ●インヒビター保有先天性血友病:congenital hemophilia with inhibitors ●凝固因子:coagulation factor ●免疫寛容導入(ITI)療法:immune tolerance induction ●在宅で患者やその家族が凝固因子製剤を静脈注射で投与できる.●定期補充と出血時(オンデマンド)補充のどちらも在宅で可能になったことで,患者の出血症状の改善だけでなく,日常生活の制限や通院にかかる経済的負担も減り,生活の質が改善された.●実際の治療の前に,静脈注射の方法や止血管理の記録,出血時の対応方法,定期Ⅷ月火水木金土日ⅧⅧⅩⅩⅧⅧⅧⅧⅧⅩⅧⅧⅧⅧⅧⅧⅩⅢⅦⅩⅧⅧⅧⅧ●従来の治療では止血効果が得られなくなるため,インヒビター中和療法やバイパス止血療法,免疫寛容●インヒビター保有先天性血友病Aに対しては,エミシズマブ〔p.287〕が有効である.フィブリンをつくれない!抗体はまかせろ!残りは止血だ!ほっフィブリンをつくれた♪内因系もう無理…転倒などによる出血●❸インヒビターの発現第Ⅷ因子製剤第Ⅷ因子製剤を非自己と認識し,抗体を産生またフィブリンをつくれない!せっかく補充しに来たのに異物だ!まぁいいか…血友病Aの補充療法の1例定期補充療法注射(%)80血中第Ⅷ因子濃度凝固因子1%以下で出血症状を生じやすくなる●❶血友病第Ⅷ因子の活性低下または欠乏治療導入(ITI)療法などの治療を選択する.インヒビター中和療法フィブリン出血時(オンデマンド)補充療法免疫寛容導入(ITI)療法定期的・頻回に投与286An Illustrated Reference Guide+αもっとわかるⅦa外因系から攻めていくぞ! 在宅自己注射療法 治療の実際 補充療法の副作用 インヒビター保有先天性血友病病態(血友病Aの場合)受診の必要性などについて患者と家族への教育を行うことが重要である.●❷凝固因子の補充第Ⅷ因子製剤体外から第Ⅷ因子を補充バイパス止血療法
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