●GVL効果によりMRDも排除されるので再発は少なくなる.●ドナーの造血幹細胞が患者の体内で分化・成熟してリンパ球になると,患者の白血病細胞を非自己と認識し,攻撃する.●移植前処置後も測定可能残存病変(MRD)〔p.128〕が存在する.●白血病以外にも,多発性骨髄腫〔p.222〕や悪性リンパ腫〔p.193〕などでもGVL効果と同様の効果がみられ,GVM/GVL●移植片対白血病(GVL)効果:graft versus leukemia effect ●ドナー:donor ●測定可能残存病変/微小残存病変(MRD):measurable residual disease/minimal residual disease ●白血病:leukemia ●造血幹細胞(HSC):hematopoietic stem cell ●前処置:preparative regimen ●移植片対宿主病(GVHD):graft versus host disease ●多発性骨髄腫(MM):multiple myeloma ●悪性リンパ腫:malignant lymphoma ●移植片対骨髄腫(GVM):graft versus myeloma ●合併症:complication ●GVHDをコントロールし,GVL効果を上げることは移植の成功に非常に重要である.●感染症に対しては,抗菌薬などの投与や防護環境の利用といった感染管理,GVHD〔p.241〕に対しては,免疫抑制薬や●移植関連合併症は,移植後だけではなく前処置〔p.238〕による有害事象なども含む.これらに対しても適宜対応する必要がある.3060中期移植後日数ドレドドドドレドドドドドドドドドド感染0生き残ったぜ…レ移植(口内炎など)(口内炎など)粘膜炎粘膜炎SOS非感染性肺合併症細菌グラム陽性菌グラム陰性菌カンジダ真菌アスペルギルスウイルス早期非自己を攻撃しろー!!ドGVHDTA-TMAVZV100180後期有莢膜細菌〔p.238W〕(肺炎球菌など)360(日)晩期240GVHDTA-TMAHSVCMV,アデノウイルス ドナー細胞が測定可能残存病変を攻撃する 移植片対白血病効果(GVL効果)●白血病患者に造血幹細胞移植を行うと,ドナー由来のリンパ球が,移植前処置後も残存していた患者の白血病細胞を攻撃し,再発を少なくさせる.これを移植片対白血病効果(GVL効果)という.その機序はGVHD〔p.241〕と類似している. 移植後管理が大切 移植関連合併症●移植後には移植からの時期に応じて,様々な移植関連合併症が起こりうる.●おおまかに移植後から生着までの期間(0~30日)は早期,100日までは中期,100日以降は後期に分類される.また,効果(移植片対骨髄腫/リンパ腫効果)とよばれる.約1年以上経過してから起こる合併症は晩期合併症〔p.243〕とよばれる.副腎皮質ステロイド(グルココルチコイド)の投与を行う.移植後の主な合併症とその好発時期治療関連毒性移植の合併症
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