病みえ5-3
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骨髄系腫瘍慢性骨髄性白血病(CML)3〜9ヵ月●急性転化すると急性白血病と同様の症状を呈し,致死的な転帰をたどる.●急性白血病〔p.138〕と同様の症●治療は極めて困難であり,致●発熱・骨痛,肝脾腫の増大などの全身症状がみられるようになる.●初期は一般的に無症状である.●進行に伴い,代謝亢進による微熱や全●また白血病細胞の肝臓,脾臓への浸潤・増殖によって肝脾腫となり,腹部膨満感などを認めることがある.❸末梢血検査で,芽球↑,赤血球↓↓,血小板↓↓, ●同種造血幹細胞移植:allogeneic hematopoietic stem cell transplantation ●世界保健機関(WHO):World Health Organization ●ヨーロッパ白血病ネット(ELN):European LeukemiaNet ●慢性期(CP):chronic phase ●移行期(AP):accelerated phase ●急性転化期(BP):blast phase●急性転化期では,芽球が骨髄外(皮膚,リンパ節,骨,中枢神経)に浸潤する.●急性転化の基準は,WHO分類では芽球比率20%以上,ELN分類では30%以上と●CMLでは慢性期,移行期,急性転化期と段階的に悪性度が進行する.●一般的に,ほとんど自覚症状のない慢性期に診断され,無治療の場合3〜5年程度●多くは急性転化期の前に移行期を経るが,慢性期から直接急性転化期に進行する場合もある.●慢性期の治療中に移行期,急性転化期に進行する場合がある.これは慢性期に使用していたTKIへの治療抵抗性の増BP:blast phaseほとんどこの段階で発見される慢性期(CP)無症状身倦怠感,体重減少が現れる.大が原因とされる.イマチニブイイイイ移行期(AP)発熱,体重減少骨痛肝脾腫の増大急性転化期(BP)貧血出血傾向易感染性状を示すようになる.死的である.173An Illustrated Reference GuideNAPスコア↑がみられる.CMLの病期が進行すると,新たな遺伝子異常が付加され,分化能を失った異常造血幹細胞が出現し,幼若な芽球が増殖する.急性白血病に類似した病態となり,治療は極めて困難で致死的である.されている.で移行期や急性転化期に進行する.無治療の場合,診断から3〜5年微熱,全身倦怠感,体重減少治療抵抗性⬆肝脾腫による腹部膨満〈急性白血病の症状〉〈白血病裂孔(+)〉intro.MINIMUM ESSENCE❶CMLの経過中,❷発熱,肝脾腫の増大,リンパ節腫脹の増大,骨痛・関節痛の悪化や,貧血症状,易感染性,出血傾向がみられる. ❹骨髄穿刺はしばしばdドライrytタップapで,骨髄中の芽球比率が20%以上である.➡CMLの急性転化と診断する.治療● TKIと化学療法の併用により腫瘍細胞を減少させる.●移植可能例には同種造血幹細胞移植を行う.+αもっとわかる 致死的な急性転化に至る 症状と自然経過CMLの急性転化期

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