●酸素療法は,酸素の投与方法によって●ここでの「低流量」「高流量」は酸素流量●健常な成人患者であれば1回換気量は●呼吸管理とは,呼吸不全〔p.88〕をきたした患者に対して,ガス交換を正●呼吸管理には,酸素療法と人工呼吸がある.●自発呼吸のない,または不十分な患者に対し,●自発呼吸のある患者に対し,吸入気の酸素濃度(FIO2)を高めて必要な酸素を供給する.●室内気を吸入する余地はほぼないため,設定された酸素濃度がそのままFIO2となる.●1回換気量を超える流量の混合ガスが供給される.*酸素ガスと空気を混合し,目的とする酸素●呼吸管理:respiratory management ●酸素療法:oxygen therapy ●人工呼吸:artificial ventilation ●吸〔入〕気酸素分画/吸入気酸素濃度(FIO2):inspiratory oxygen fraction ●動脈血酸素分圧(PaO2):partial pressure of arterial oxygen ●動脈血二酸化炭素分圧/動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2):partial pressure of arterial carbon dioxide ●強制換気:mandatory ventilation ●一回換気量(TV):tidal volume ●1回換気量に満たない不足分は空気の吸気でまかなわれるため,酸素と空気の混合率によって吸入気酸素濃度(FIO2)が決まる.●1回換気量以下の流量の酸素が供給される.〔p.349〕空気や水などの流体が管のくびれ部分を流れる際に流速が大きくなり,陰圧が生じる現象のこと.ベンチュリーマスクではこれを利用し,室内気を取りこむことで酸素濃度と総流量(トータルフロー)を調整する.〔p.350〕人工呼吸器が決めた吸気の与え方で1回換気量を与えること.強制換気には,吸気開始のタイミングを人工呼吸器が決める調節換気と,吸気開始のタイミングを患者の自発呼吸に合わせる補助換気がある.348呼吸管理とその他の治療 酸素療法と人工呼吸 呼吸管理とは 低流量システムと高流量システム 酸素投与方法低流量システムと高流量システムに分類される.の大小を指すわけではなく,患者の1回換気量を超える流量でガスを供給するかどうかを意味している.500mL/秒=30L/分であるため,成人患者に対して高流量システムを用いる場合は,ガスの総流量が30L/分以上になるように設定する.常に行えるように呼吸を補助することである.酸素化換気概要目的呼吸管理では,呼吸状態を「酸素化」と「換気」に分けて考えましょう.換気が悪い場合に酸素療法を行っても,必要な酸素を体内に供給することはできません.換気が悪い場合は換気の補助が必要ですから,人工呼吸の適応となります.濃度にしたもの.酸素療法低流量システム高流量システム人工呼吸呼吸筋の疲労軽減医師An Illustrated Reference Guide+αもっとわかる ベンチュリー効果 強制換気 監 修浦野 哲哉FIO2FIO2呼吸の代行や補助を行う.酸素化の改善(PaO2⬆)換気量の維持・増大(PaCO2⬇):酸素:空気:混合ガス*酸素療法呼吸管理
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