●喘息はタイプ2炎症〔p.164〕が関与するタイプ2喘息と,タイプ2炎症の関与が乏しい低タイプ2喘息に分類される.●タイプ2喘息では好酸球性炎症をきたし,低タイプ2喘息では好中球性炎症が関与することが多い.●Ⅰ型アレルギーが関与するアトピー型(IgE依存型)と,関与しない非アトピー型(IgE非依存型)の分類も古くから存在●喘息の発症や増悪には,遺伝的素因などの個●環境因子は,喘息になりやすい人の発症に影●環境因子の回避や除去は,喘息の発症・増悪●喘息患者では気道過敏性が亢進しており,外因性・内因性の刺激(増悪のトリガー)〔p.163〕によって可逆的な気道狭窄●喘●大気汚染□黄砂□PM2.5 ●食物●薬物 ●鼻炎●肥満●出生時低体重●運動・過換気●気道狭窄:airway narrowing/airway stenosis ●アトピー型喘息/アトピー性喘息:atopic asthma ●非アトピー型喘息/非アトピー性喘息:nonatopic asthma ●呼気中一酸化窒素濃度(FeNO):fraction of exhaled nitric oxide ●胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP):Thymic stromal lymphopoietin ●アレルゲン:allergen ●微小粒子状物質(PM):particulate matter●喀痰中好中球比率⬆or ➡●喀痰中好酸球比率⬆,末梢血好酸球数⬆●呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)⬆●特異的IgE(+)●末梢血好酸球数やFeNOが高いほど,増悪リスクが●病態と関連するマーカーは確立していない.●副腎皮質ステロイドへの感受性が低く,適応となる●マクロライド系薬の長期投与が試みられることがある.●FeNOが高いと気道リモデリングが進行している可●IgE,IL-5,IL-4,IL-13,TSLPなどを標的とする●アレルゲン●喫煙(能動・受動)●呼吸器感染症●遺伝的素因●アトピー素因〔p.163W〕●気道過敏性●性差●平滑筋の収縮●粘膜の浮腫●気道粘液分泌⬆喘息(気管支喘息)ぜんめい165 閉塞性換気障害の病態 気道狭窄 タイプ2喘息と低タイプ2喘息 喘息の分類 個体因子と環境因子 危険因子をきたす.鳴や呼吸困難といった症状は,この気道狭窄により生じる.するが,タイプ2炎症の有無とは対応しないこともある.体因子と,アレルゲンや呼吸器感染症,大気汚染などの環境因子が強く関連している.響を与える因子と,すでに発症した人に対して増悪させる因子があり,両因子には共通するものがある.の予防に有用であり,禁煙指導やダニ,真菌類に対する生活指導が重要である.正常検査所見バイオマーカー高い.能性がある.治療生物学的製剤が適応となる.喘息患者安定期気道過敏性⬆※気道リモデリングが存在するとさらに気道過敏性が亢進する.タイプ2喘息増悪時増悪のトリガー可逆的変化生物学的製剤が少ない.個体因子□小児:男>女□成人:男<女An Illustrated Reference Guide免疫・アレルギー性肺疾患+αもっとわかる 気道狭窄低タイプ2喘息環境因子□ダニ,動物由来のもの□真菌類 など□ウイルス性のもの などなど□乳児期の人工乳 などなど
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