病4-3版_web立ち読み_181106
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*喀痰の塗抹検査での抗酸菌の陽性率は高くないため,喀痰の採取は3日連続(3回)行う(痰が出ない場合は排痰誘発法〔p.106〕による採取,喀痰採取が困難な場合は早朝空腹時の胃液を検体とする).●症状により受診●健康診断●他疾患で受診●PCR法など●精製ツベルクリン(PPD)を皮内注射し,遅延型アレルギー反応をみる検査である.●48〜72時間後の局所皮膚の発赤径・硬結径を発赤径・硬結径を測定(長径1cm以上で陽性)●結核感染のスクリーニング検査や活動性結核の補助診断として,インターフェロンγ●特に結核の接触者健診〔p.112〕で用いられる.●スクリーニング検査陽性は体内に結核菌が存在する可能性を示唆しているにすぎな●結核感染があった場合,感作されたT細胞が結核菌特異抗原の刺激で,インターフェロンγ(IFN-γ)を放出する.●IGRAでは,IFN-γの産生量やIFN-γ産生T細胞(エフェクターT細胞)●過去のBCGワクチン接種の影響を受けるため,陽性であっても実際に結核に感染しているかどうかは不明な場合が多い.●結核菌曝露からIGRA陽転まで少なくとも8〜10週かかる.●陽性反応は治療開始の基準とはならない.注意点●BCGワクチンが普及しているわが国では特異度が低く,IGRAを優先的に行うことが多くなっている.●抗酸菌:acid fast bacillus ●インターフェロンγ遊離試験(IGRA):interferon gamma release assay ●ツベルクリン反応:tuberculin reaction ●クォンティフェロンⓇTB ゴールドプラス(QFT-Plus):QuantiFERONⓇ-TB Gold Plus ●カルメット・ゲラン桿菌(BCG):Bacillus Calmette-Guérin ●精製ツベルクリン(PPD):purifi ed protein derivativeT-SPOT●IFN-γの産生量を●IFN-γ産生T細胞 要●❸培養検査●MGIT(液体培地) :2〜6週●小川培地(固形培地) :4〜8週●❹同定検査臨床診断もしくは経過観察インターフェロンγ遊離試験(IGRA)の数を測定する.患者血清結核菌特異抗原●IGRAはBCGワクチン〔p.107〕の影響は受けないが,結核の既感染との区別はつかず,高齢者や免疫抑制状態では感度が低下する.抗酸菌抗酸菌これ知ってる!IFN-γ産生T細胞X線,CT所見で肺結核の可能性あり❶喀痰採取*●❷塗抹検査●蛍光法●Ziehl-Neelsen法イムノクロマト法●キャピリアⓇTBなど非結核性抗酸菌症〔p.115〕遊離試験(IGRA)とツベルクリン反応検査(ツ反)がある.いため,結核が疑われた場合は診断のための検査〔p.109〕を行う.測定.の数を測定.15分でできるが偽陰性がある最も迅速だが感度は高くない数週間かかるが確実抗酸菌結核菌おれも知ってる!QFT-PlusIFN-γいずれか核酸増幅検査ツベルクリン反応検査(ツ反)測定する.抗酸菌1時間〜1日程度だが高額結核菌結核の確定診断PPDを皮内注射:陽性:陰性+−−+−+−+概塗抹検査陽性となったときなど,結核が疑われた時点で空気感染予防策(患者を個室または陰圧個室へ隔離,患者はサージカルマスク,医療者・家族はN95マスクを着用)を実施します.医師N95マスク48〜72時間後108An Illustrated Reference Guide X線検査から始まる 診断までのながれ●肺結核を疑った場合,喀痰検査で抗酸菌を検出することが最も重要である.●抗酸菌塗抹検査陽性例のおよそ20〜25%は非結核性抗酸菌であるため,菌種を同定する必要がある.●以前は結核菌と非結核性抗酸菌を識別するためにナイアシンテストが行われたが,現在では核酸増幅検査などが行われる. IGRAとツ反 スクリーニング検査

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