●新型コロナウイルス感染症(COVID-19):coronavirus disease 2019 ●新型コロナウイルス(SARS-CoV-2):severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 ●飛沫感染:droplet infection ●エアロゾル感染:aerosol infection ●接触感染:contact infection ●すりガラス様陰影:ground glass opacity ●浸潤影:consolidation/infiltrative shadow ●ポリメラーゼ連鎖反応(PCR):polymerase chain reaction ●世界保健機関(WHO):World Health Organization ●アンジオテンシン変換酵素(ACE):angiotensin converting enzyme●中等症Ⅱ〜重症の場合は入院とし,抗ウイルス薬やステロイドなどの薬物療法●2023年5月にCOVID-19の感染症法における位置づけが新型インフルエンザ等感染●COVID-19は,2019年12月より中国湖北省武漢市を起点に世界中に拡大し,流●2023年4月時点で世界での累積感染者数●日本においては,2023年5月時点での累国内の1日当たりの死亡者数国内の1日当たりの感染者数̶:感染者数(2020/01/16〜2023/05/08)̶:死亡者数(2020/05/09〜2023/05/08)intro.MINIMUM ESSENCE 全世界に拡大した 発生状況新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による急性呼吸器感染症.2019年12月に中国湖北省武漢市での集団発生が報告された後,世界中に感染が拡大した.主な感染経路は飛沫感染・エアロゾル感染〔p.102W〕であり,ときに接触感染もきたしうる.無症状・軽症例から重症例まで臨床像が幅広く,ワクチン未接種の場合や重症化リスクが高い場合は死に至ることもある.症から5類感染症に移行し,全数把握から定点把握となった〔病⑥p.167〕.〈上気道症状〉〈全身症状〉〈肺炎の合併〉❶換気の悪い密閉空間,多数が集まる密集場所,近い距離で会話をする密接場面での感染のリスクが高い.❷無症状,あるいは咽頭痛,咳嗽,鼻汁, 発熱,倦怠感,頭痛,筋肉痛などがみられる. ❸胸部X線・CT像で,すりガラス様陰影や浸潤影がみられる. ➡新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を考える.●確定診断は抗原検査またはPCR法などの核酸増幅検査によって行う.治療●軽症〜中等症Ⅰの場合は,ワクチン接種歴や重症化リスクを考慮して,対症療法あるいは抗ウイルス薬の投与を検討する. を行う.102U07.1資料:厚生労働省:データからわかる−新型コロナウイルス感染症情報−.https://covid19.mhlw.go.jp(2024年11月閲覧)飛沫よりも細かい液体微粒子をエアロゾル〔p.144W〕といい,エアロゾルを吸入することで感染することをエアロゾル感染という.COVID-19の流行に伴い提唱された新しい概念であり,徐々に定説として固まりつつある.An Illustrated Reference Guide+αもっとわかる エアロゾル感染 〔p.102〕気体中に分散する,ACE2(アンジオテンシン変換酵素2) 〔p.103〕アンジオテンシンⅡをアンジオテンシン(1-7)に変換する酵素.心臓,腎臓,肺,腸管などの細胞表面に膜蛋白質として広く分布しており,新型コロナウイルスの受容体となることがわかっている.ACE2は血管内皮細胞にも発現しており,COVID-19の合併症である血栓塞栓症との関連が考えられている.行と収束を繰り返してきた.は 7億6,000万人,累積死亡者数は690万人と報告されている.積感染者数は3,380万人,累積死亡者数は7万4,000人と報告されている.日本におけるCOVID-19の流行2020年1月WHOが緊急事態を宣言6月 1月 6月 2020年 2021年 (万人)3020102月 (人)6004002001月 6月 1月 5月2023年2022年 2023年5月WHOが緊急事態の終了を宣言COVID-19:coronavirus disease 2019監修小宮 幸作疫学・概要新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
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