病3-5版_web立ち読み用
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約30%約20%約10%約1〜2%まれ●下垂体腺腫:pituitary adenoma ●機能性腺腫:functioning adenoma ●非機能性腺腫:non-functioning adenoma ●視交叉:optic chiasm ●トルコ鞍:sella turcica ●成長ホルモン(GH):growth hormone ●プロラクチン(PRL):prolactin ●黄体形成ホルモン(LH):luteinizing hormone ●卵胞刺激ホルモン(FSH):follicle-stimulating hormone ●副腎皮質刺激ホルモン(ACTH):adrenocorticotropic hormone ●甲状腺刺激ホルモン(TSH):thyroid-stimulating hormoneAn Illustrated Reference Guide●下垂体腺腫は,腺腫細胞からのホルモン分泌の有無で機能性腺腫と非機能性腺腫に分けられる.機能性腺腫と非機能性腺腫では次のように出現する症状が異なる.●機能性腺腫は産生ホルモンによってさらに分類され,それぞれ異なる疾患を引き起こす.●機能性腺腫でも,腺腫が増大すると,下垂体前葉機能低下症,局所症状などの圧迫症状がみられるようになる.●GH,PRLは同一の分子より進化したと考えられており,構造面・作用面で似ている点が多い.そのため,GH,PRLを同時に産生する下垂体腺腫もしばしばみられる.●周囲の組織が圧迫,破壊される〔p.210〕.●正常下垂体組織が圧迫され,ホルモン分泌が低下する.●腫瘍が増大し,下垂体前葉機能低下症や局所症状が出現して初めて気づかれるため,マクロアデノーマ(直径1cm以上の腫瘍)として発見されることが多い.負荷試験,放射線治療などを契機として下垂体卒中をきたすことがある〔p.210〕.トルコ鞍●早期からホルモン分泌過剰症状が出現するため,比較的早期に発見されることが多い.機能性腺腫下垂体腺腫は下垂体前葉細胞から発生する良性腫瘍である.全脳腫瘍の約1/5を占め,成人に多い.下垂体腺腫機能性腺腫………腺腫細胞がホルモンを産生・分泌する非機能性腺腫……腺腫細胞がホルモンを分泌しない機能性腺腫視交叉下垂体前葉腺腫ホルモン分泌過剰症状下垂体腺腫臨床的な非機能性腺腫(プロラクチノーマ)〔p.216〕監修岩﨑 泰正208PRL産生腺腫GH産生腺腫ACTH産生腺腫TSH産生腺腫分類症状特徴(多くはLH・FSH産生細胞腺腫)機能性ゴナドトロピン産生腺腫非機能性腺腫腺腫過剰症状は頻度約40%ホルモン分泌↑により脳局所症状下垂体前葉機能低下症ないホルモン分泌過剰による疾患高プロラクチン血症 成人:先端巨大症小児:下垂体性巨人症 〔p.212〕 クッシングCushing病 〔p.218〕二次性甲状腺機能亢進症下垂体卒中(pituitary apoplexy) 〔p.208〕下垂体腺腫内の出血性梗塞により,腺腫容積が急激に増大するため,突然の頭痛および視力低下が出現する.視力低下に対しては 緊急手術が必要となる.プロラクチノーマ 海綿静脈洞 〔p.210〕トルコ鞍の外側に位置し,内腔は多数の結合線維束の連絡によって海綿状を呈する.内部に内頸動脈や動眼神経,滑車神経,外転神経,眼神経,上顎神経が走っている.徐放剤(徐放性製剤) 〔p.210〕成分が徐々に放出されるよう工夫された薬剤.薬効が長時間にわたって持続するため,投与回数を減らすことができるうえ,薬物血中濃度が急激に上昇せず副作用が出にくいという利点がある.ブロモクリプチン カベルゴリン 〔p.210〕ドパミン受容体作動薬の1つ.ブロモクリプチン同様に下垂体前葉からのプロラクチン分泌を抑制するが,半減期が長く,より長時間作用する.〔p.208〕プロラクチンを産生する下垂体腺腫.高プロラクチン血症の約1/3を占める.〔p.210〕ドパミン受容体作動薬の1つ.下垂体前葉からのプロラクチン分泌を抑制する.D 35.2intro. ホルモンを分泌するかどうかで異なる 下垂体腺腫の症状 機能性ではGH,PRL産生腺腫が多い 分類と頻度下垂体腺腫

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