病3-5版_web立ち読み用
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●内分泌では分泌細胞は血中にホルモンを分泌するが,外分泌(eエクソクリンxocrine)では分泌細胞は外界に生理活性物質(汗,母乳,消化液など)を分泌する.●ホルモンはこれまで,「分泌細胞から分泌された後,血流を介して運搬され,標的細胞に作用する物質」と定義されてきた.●しかし研究が進むにつれ,神経細胞(ニューロン)や脂肪細胞〔p.131〕,血管内皮細胞などから分泌される生理活性物質が発見された.また,血流を介さずに近隣の細胞や分泌細胞自体に作用する物質の存在も明らかとなってきた.●現在ではこのような化学物質もホルモンとよばれ,「生体内における細胞間の情報伝達物質」と定義される.(autocrine)(paracrine)●分泌細胞内で産生されたホルモンは,細胞内で作用を発揮する.●いったん細胞外に分泌されたホルモンは,分泌細胞自体に作用を発揮する.●エンドセリン●分泌細胞から分泌されたホルモンは血流を介さずに,近傍の細胞に作用を発揮する.●ニューロンで産生されたホルモンは,軸索突起から血中に放出され,血流を介して標的細胞に達し作用を発揮する.●視床下部ホルモン〔p.202〕●下垂体後葉ホルモン 〔p.226〕●分泌細胞から分泌されたホルモンは,血流を介して標的細胞に達し,受容体に結合して作用を発揮する.●一般的なホルモン作用機序●一部のペプチドホルモン●ソマトスタチン など●成長ホルモン放出ホルモン(GHRH):growth hormone-releasing hormone ●甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH):thyrotropin-releasing hormone ●ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG):human chorionic gonadotropin ●ヒト胎盤性ラクトゲン(hPL):human placental lactogen ●サイロキシン(T4):thyroxine ●トリヨードサイロニン(T3):3,5,3'-triiodothyronin ●カルシトニン(CT):calcitonin ●副甲状腺ホルモン(PTH):parathyroid hormone ●心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP):atrial natriuretic peptideAn Illustrated Reference Guide内分泌外分泌傍分泌パラクリン近傍細胞 ホルモンを介した情報伝達 内分泌の概念●内分泌(eエンドクリンndocrine)とは,分泌細胞が血中に生理活性物質(ホルモン)を分泌し,それを標的細胞が受け取ることで作用が発揮されるしくみのことである.●神経系・免疫系と協調して体内の恒常性(ホメオスターシス)の維持に関与している. ホルモンとは ホルモンの概念例がんばれ!分泌細胞ホルモン血管内分泌(endocrine)狭義の内分泌分泌細胞ホルモン血管受容体標的細胞はーい!標的細胞神経分泌ニューロン軸索突起消化管腔は外界とみなされる自己分泌オートクリン細胞内分泌イントラクリン(intracrine)など 内分泌は血中にホルモンを分泌する 外分泌との違い監修土井 賢196内分泌総論内分泌の概念と作用機構

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