病3-5版_web立ち読み用
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050●足趾,手指,耳介などに痛風結節が出現する.●痛風結節が骨組織に生じると,関節破壊をきたすことがある.●腎機能障害を呈する場合もある(痛風腎〔p.147〕).●多くの場合,放置しても発作は1週間以内に治まり,間欠期は全く無症状である.●突然,第1中足趾節関節などに激痛,発赤,腫脹が生じ,歩行困難となる(炎症は24時間以内にピークに達する).●高尿酸血症だが症状はない.●この時期から尿路結石を生じることもある.●以前は50歳代が発症年齢のピークであったが,30〜40歳代へとピークが移ってきている.その原因としては,若い世代における肥満,過食,過剰飲酒などの生活習慣が関与していると考えられている.痛風患者数頻度●第1中足趾節関節:the fi rst metatarsophalangeal joint ●非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):non-steroidal anti-infl ammatory drugs ●尿酸生成抑制薬:uric acid synthesis inhibitor ●尿酸排泄促進薬:uricosuric drug ●尿路結石:urinary calculus/urinary stone ●痛風結節:tophus ●痛風腎:gouty kidney尿酸代謝異常痛風無症候性高尿酸血症痛風発作繰り返す総数男性間欠期国民生活基礎調査による痛風患者の推移女性痛風の初回発作時年齢の年代別比較慢性期無治療調査年発症年齢An Illustrated Reference Guide1201008069.6596061.74050.942.32035.76.68.119951998200120042007201020132016353025201510〜1920〜2930〜3940〜4950〜5960〜6970〜(歳)田中 栄一 ほか:痛風発症年齢の若年化に関する最近の傾向:痛風と核酸代謝 2004:28(1):7-11より改変110.5106.399.4104.895.787.385.490.47978.17.98.47.45.36.95.71965年(大島 1,181例)1997-8年(女子医大282例)(万人)(%)ピークの若年化 痛風発作と間欠期を繰り返す 痛風の経過●痛風発作は数日〜1週間ほどでおさまる場合が多い.●無治療のまま放置すると,発作の頻度は数年に1回から年に数回へと次第に増加し,母趾以外の関節にも発作が生じるようになる. 患者の多くは男性 疫学●かつて,わが国では痛風は非常にまれな疾患であった.しかし,1960〜1970年代にかけて痛風患者数は爆発的に増加した.この背景には,1960年代以降の食生活の欧米化やアルコール摂取量の増加があると考えられている.145(年)資料:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/):国民生活基礎調査「総傷病数(−平均傷病数),年齢・傷病・性別」 :平成7,10,13,16,19,22,25,28年

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