病3-5版_web立ち読み用
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近位尿細管遠位尿細管●遺伝的因子や環境因子によって,プリン体生合成・異化が亢進し,尿酸が体内に蓄積すると高尿酸血症が引き起こされる〔p.142〕.●近位尿細管での再吸収・分泌を経て尿中に排泄される量は,糸球体で濾過されたうちの約7〜10%である.●大量の尿酸が排泄されると,尿路中に尿酸結晶が析出し,結石が形成されてしまう.●糸球体で濾過された尿酸の再吸収には尿酸輸送体のURAT1が,分泌にはABC輸送体のABCG2が主に関与している.●■■■■■遺伝子は痛風の主な病因遺伝子であり,その変異は多くの痛風患者にみられる.ABCG2の機能が1/4以下になる変異では痛風の発症リスクが約26倍上昇する.OK!Give me!●アデノシン二リン酸(ADP):adenosine diphosphate ●グアノシン二リン酸(GDP):guanosine diphosphate ●アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT):adenine phosphoribosyltransferase ●ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT):hypoxanthine guanine phosphoribosyltransferase ●キサンチン酸化還元酵素(XOR):xanthineoxidoreductase ●尿酸輸送体(URAT1):urate transporter 1 ●ABCG2:ATP-binding cassette sub-family G member 2プリン体尿酸代謝異常尿酸代謝総論●プリン体にはプリンヌクレオチド,プリンヌクレオシド,プリン塩基などがある.下記は生体に特に重要なプリンヌクレオチドを合成するための経路で,最終代謝産物は尿酸となり,体外に排出される.●リボース5-リン酸からプリンヌクレオチド(IMP)が合成される経路を■■■■■■■経路といい,プリン塩基からプリンヌクレオチド(AMP,IMP,GMP)が合成される経路をサルベージ(再利用)経路という.PPP プリンヌクレオチドをつくる プリン体の代謝 プリンヌクレオチドの再合成 サルベージ経路●細胞内のプリンヌクレオチド濃度が十分な場合は,プリン体は尿酸まで分解され,腎臓から排泄される.●一方,細胞内のプリンヌクレオチド濃度が不十分である場合,プリン体は尿酸まで分解されず,プリン塩基からプリンヌクレオチドが再合成される(サルベージ経路).%%000011 ほとんどが再吸収される 腎臓における尿酸排泄●尿酸は,以下のように腎臓から尿中に排泄される.141■■■■■■■経路サルベージ経路異化経路プリン体代謝経路で働く代表的な酵素アデノシンアデニンキサンチン酸化還元酵素(XOR)プリンヌクレオチドの濃度が十分プリン塩基プリンヌクレオチドプリンヌクレオチドの濃度が不十分プリン塩基再合成リボース 5-リン酸イノシンヒポキサンチンキサンチン尿酸尿酸排泄尿酸排泄PRPP合成酵素GMPGDPHPRTPRPPグアノシングアニン:尿酸の流れ:血液の流れ:糸球体で濾過される量を100%とした場合の移動する尿酸の割合腎動脈○%糸球体〔プリンヌクレオチド〕〔プリンヌクレオシド〕〔プリン塩基〕輸入細動脈輸出細動脈7〜10%(尿中へ)An Illustrated Reference GuideATPADPAMPAPRTPRPPHPRTAPRTサルベージ経路PRPPIMPPRPPGTPPP再吸収ほぼ100%ほぼ100%分泌50%50%40%40%再吸収排泄

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