病10-4版_立ち読み
21/36

●産科医療の紛争は減少した(訴訟件数は2009年度:84件→2017年度:54件).●脳性麻痺の原因を学術的にまとめることができるようになった〔p.124〕.●原因分析報告書を受け取ってから保護者と医療者の話し合いの場を設けるべきという考えもある.●個別審査基準の撤廃,補償対象範囲の拡大など,さらなる制度の見直しが検討されている.妊娠の異常常位胎盤早期剝離損害保険会社評価機構]運営組織妊産婦(児)保険者等●出生時体重1,400g以上,かつ在胎期間32週以上で出産(2015年1月1日以降)*(28〜31週に起こった分娩時低酸素症によるものは個別に検討)*2014年12月31日までに出生した児は出生時体重2,000g以上かつ在胎期間33週以上.●身体障害者等級の1級または2級に相当する重度の脳性麻痺が発生●原因が分娩による(先天性,もしくは新生児期の要因ではないこと)民間保険制度[日本医療機能分娩機関 125An Illustrated Reference Guide公益財団法人 日本医療機能評価機構 産科医療補償制度http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/outline/system.html(2018年8月閲覧)より改変発症予防を行う制度であり,わが国で2009年1月から施行された.●脳性麻痺児の発症に関しては,医療機関の過失の有無を問わない.❶脳性麻痺児とその家族に対しての経済的援助 ❷脳性麻痺児の発症の原因研究とその再発防止制度のしくみ補償の機能出産育児一時金等原因分析・再発防止の機能原因分析原因分析医学的観点から原因分析を行い,報告書を作成し,保護者と分娩機関に送付します.補償対象者補償金額準備一時金600万円+補償分割金120万円/年×20回=合計3,000万円   現在の成果      今後の課題   加入者(被保険者)補償の約束登録証分娩費補償金(保険金)事例情報の蓄積保険者広く一般に産科医療の質の向上公表以上の条件を全て満たした児について補償目的目的紛争の防止・早期解決,産科医療の質の向上紛争の防止・早期解決,産科医療の質の向上契約者掛金保険料再発防止再発防止複数事例の分析から,再発防止策等を提言します.Supplement産科医療補償制度●産科医療補償制度とは,現在の医療では発症を完全には防ぐことができない脳性麻痺児に対しての補償と原因分析,

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る