がんみえ
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●腫瘍病理学:tumor pathology ●病理学的検査/病理検査:pathological examination ●TNM分類:TNM classifi cation ●原発腫瘍(T):tumor ●リンパ節(N):lymph node ●遠隔転移(M):distant metastasis ●組織診:histological examination ●細胞診:cytological examination ●核/細胞質(N/C)比:nucleus-cytoplasm ratioAn Illustrated Reference GuideNNCC●がん診療における病理検査は,主に次のことを目的として行う.●がんである場合,どこまで広がっているのかを判定し(TNM分類,ステージ〔p.19〕),治療方針を決定する.●発見した病変はそもそもがん(悪性腫瘍)なのか.●がんである場合,どんな種類の●様々な疾患において病理検査の結果が確定診断となりうるが,特にがん診療においては病理検査をせずに確定診断をくだすことができない.●採取した検体から作製した組織標本を確●行うタイミングによって次の3つに分けられる.■生検組織診〔p.47〕■手術材料を用いた組織診〔p.47〕■術中組織診(術中迅速病理診断)〔p.48〕P■■■■■■apanicolaou染色 46がんの基礎知識N/C比(核/細胞質比) 〔p.63〕細胞質(C)の面積に対する核(N)の面積の比率のこと.一般的に細胞の悪性度に相関し,細胞質に対して核の面積の比率が高く(N/C比が高く)なるほど悪性度が高くなる.〔p.49〕細胞診において最も基本的な染色法.核が暗紫色,核小体が暗赤色〜暗青紫色に染まる.細胞質は細胞の種類によって異なり,腺細胞の細胞質は淡青緑色,扁平上皮細胞の細胞質は基底層に近いものほど濃青緑色に,表層に近いものほど淡赤色〜橙色に染まる.〔p.49〕正常の細胞とは形態が異なる細胞の総称. がん診療の要 がん診療における病理検査●診断・治療を目的に切除・採取された検体(臓器や組織,細胞)を,顕微鏡で観察する検査を病理 組織診と細胞診 病理検査の種類●病理検査には,顕微鏡を用いて組織標本を観察する場合(組織診)と,細胞を観察する場合(細胞診)組織学的検査(病理検査)という.がんなのか.がある.認する.確定診断(病理診断)や治療方針の決定に関わることが多く,検査の中で重要な役割を担う.腫瘍細胞は細胞自体の大きさが正常細胞よりも大きいことが多いが,細胞質の増える割合に対して核の増える割合の方が大きい.正常細胞腫瘍細胞病理医スクリーニングや補助的診断の役割を担うことが多いが,場合によっては確定診断に用いられることもある.監修鬼島 宏確定診断組織診がん診療において組織診(甲状腺乳頭がん)病期診断例えば同じ肺の病気であっても,肺炎は病理検査を行わずに診断し治療を開始しますが,肺がんは病理検査なくして診断を確定することや治療することができません.細胞診〔p.49〕●採取した細胞を確認する.●検体の採取方法により,次の2つに分けられる.■剝離細胞診■穿刺吸引細胞診がん診療において細胞診(甲状腺乳頭がん)異型細胞 腫瘍病理学

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