がんみえ
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●デオキシリボ核酸(DNA):deoxyribonucleic acid ●遺伝子:gene ●染色体:chromosome ●ゲノム:genome ●アデニン(A):adenine ●チミン(T):thymine ●グアニン(G):guanine ●シトシン(C):cytosine ●ウラシル(U):uracil ●リボ核酸(RNA):ribonucleic acid ●アデノシン一リン酸(AMP):adenosine monophosphateAn Illustrated Reference GuideDNAヌクレオチド糖リン酸塩基●ここでは,以降の解説の理解に必要なDNA,遺伝子,染色体,ゲノムといった用語を解説する.●染色体・DNA鎖は,細胞周期〔p.10〕の間期には緩んだ状態で核内に存在し,分裂期になると凝縮する.●ヒトでは約2万種類の遺伝子が,46本の染●染色体はDNA鎖が折りたたまれて凝縮したもので,1つの染色体に多数の遺伝子を含む.●同じ染色体が1対ずつあり,同じ遺伝子が1対ずつある(相同染色体,ただし性染色体を除く).●遺伝子は生体の特徴(遺伝情報)を指定するDNA領域である.●DNAは糖・リン酸・塩基からなるヌクレオチドが連なってできており,塩基配列が蛋白質のアミノ酸配列を指定(コード)する.●染色体は,セントロメアとよばれる部位でくびれて●塩基にはアデニン(A),チミン(T),グアニン(G),シトシン(C)の4種類がある.●2本の鎖が塩基を介して結合し,二重らせん構造を●DNAがヒストン(蛋白質)に巻き付いてヌクレオソームとなり,これが凝縮してクロマチンを形成する.●クロマチンは,分裂期にさらに強く凝縮してコイル状に巻き上がり,染色体を形成する.24がんの基礎知識DNA DNAをコンパクトに保存 染色体の構造●染色体は,細胞分裂の際に,新たな細胞(娘細胞)に遺伝子・DNAを均等に分配する役割がある〔p.10〕.●染色体は,DNAがヒストンなどの蛋白質とともに高度に折りたたまれて凝縮して形成されている.の選択においても必須となっている.塩基配列で書いた蛋白質の設計図のようなものテロメアセントロメア染色体ヌクレオソーム核核小体監修北中 千史DNA・遺伝子蛋白質A染色体相同染色体クロマチンヒストンヌクレオチド細胞遺伝子A遺伝子B遺伝子C遺伝子D色体に分かれて核内に収容されている.ゲノム●ゲノムとは個々の生物の遺伝情報セット(DNA配列情報の全て)のことである.●ヒトのゲノムDNAは約30億塩基対,長さは約1.8mある.このうち,蛋白質を指定する遺伝子部分はごく一部で(約1.5%),大半は機能がないか未解明な部分である.いる(分裂期に紡錘糸が結合する部位〔p.10〕).●染色体の両末端部はテロメアとよばれる〔p.42〕.●DNAは,塩基・糖・リン酸からなるヌクレオチドが多数結合した鎖状の分子である.形成している.塩基遺伝子とは まずは用語の意味を確認 DNA・遺伝子・染色体・ゲノム●がんは遺伝子異常を原因とする疾患であり,遺伝子に関する知識はその病態の理解だけでなく,治療法の開発や臨床上がんの生物学

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