がんみえ
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検診の胸部X線像で胸部異常陰影を指摘された.❺喀痰細胞診で,陰性であったが, ❻CTガイド下針生検による組織検査で,異型細胞は腺管状構造を形成している.➡肺腺がんと診断する.●CTなどの画像検査で病変の大きさ・局所浸潤(進展度)の程度(T因子),所属リンパ節転●非小細胞肺がん(NSCLC):non-small cell lung cancer ●腺がん:adenocarcinoma ●化学放射線療法(CRT):chemoradiotherapy ●がん胎児性抗原(CEA):carcinoembryonic antigen ●シアリルルイスX抗原(SLX):sialyl Lewis X antigen ●異型腺腫様過形成(AAH):atypical adenomatous hyperplasia ●経気管支肺生検(TBLB):transbronchial lung biopsy ●気管支肺胞洗浄(BAL):bronchoalveolar lavage●肺腺がんの腫瘍マーカーとしてCEA〔p.274〕やSLX〔p.274〕がある.●肺腺がんの分子標的薬の適応を判定するため,■■■■遺伝子変異,■■■遺伝子転座,■■■■遺伝子転座,■■■■遺伝子変異,■■■遺伝子変異(エクソン14スキッピング),■■■遺伝子転座といったドライバー遺伝子異常〔p.275〕の有無を検査する.また,免疫チェックポイント阻害薬の適応は,腫瘍組織でのPD-L1の発現状態を参考にする〔p.22〕.●ステージ別の5年相対生存率は,ステージⅠ:92%,Ⅱ:61%,Ⅲ:34%,Ⅳ:11%である(資料:全国がんセンター協議会の生存率共同調査〔2011〜2013年診断症例〕). 肺がん(NSCLC)nノッチotch intro.intro.Typical Case❶70歳代女性.❷喫煙歴はない. ❸自覚症状は特にないが,❹胸部CT像で, 肺野の末梢に結節影を認め, 気管支鏡下擦過細胞診で,核小体が目立つ異型細胞の集塊を認める.治療方針274異型腺腫様過形成(AAH) 〔p.277〕軽度から中等度の異型上皮細胞が,正常の肺胞や気管支の上皮細胞を置換するように増殖するもの.通常は小型の限局性病変である.腺がんの前がん病変と考えられている.〔p.274〕シアリルルイスX抗原のことで,細胞分化に関わる糖鎖抗原の一つ.腺がんで高値を示す腫瘍マーカーである.〔p.274〕がん胎児性抗原のことで,大腸がん組織や胎児の腸管でみられる糖蛋白質.代表的な腫瘍マーカーの一つであり,大腸,胃,肺,乳腺などのがんで高値を示す.肺では腺がんで陽性率が高い.〔p.276〕圧排性の進展を示す腫瘍でみられる所見で,結節影・腫瘤影の辺縁が分葉状となること.非小細胞肺がん(肺非小細胞がん)〔NSCLC〕とは,肺がんのうち小細胞がん以外の腺がん,大細胞がん,扁平上皮がんなどのことをいう.治療方針を決めるためにさらに非扁平上皮がん(主に肺腺がん)と扁平上皮がん〔p.278〕に分類する.NSCLCは全肺がんの約80%を占める.肺がんのうち,腺上皮への分化傾向を示す組織型である.移(N因子),遠隔転移の有無(M因子)を評価し,治療方針を決定する.病期(進行度)手術可能非小細胞手術不能辺縁に棘状突起(sスピキュラ胸膜陥入像がみられる. picula),血管収束像, 〈非喫煙者でもまれではない〉〈早期は無症状〉〈肺腺がんに特徴的なCT像〉〈末梢型では検出されにくい〉腫瘍径が小さく,リンパ節転移がない腫瘍径が大きい,または限られた範囲のリンパ節転移がある根治照射可能根治照射不能監修滝口 裕一+治療法手術療法術後補助薬物療法手術療法根治的化学放射線療法(CRT)薬物療法SLX CEA 病❹p.243病❹p.248adenocarcinoma肺腺がん非小細胞肺がん(NSCLC)

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