薬4-1版_立ち読み
5/28

薬力学薬の作用様式●一つの個体が示す少多007●反応を示した個体の割合反応率反応率●最近では動物愛護の観点から致死量を求めないことが多く,致死量の代わりに中毒量を用い,「50%中毒量(TD50)/50%有効量(ED50)」を安全域とすることもある.薬物量=安全域(LD50/ED50)が大きい高い安全域とよく似た用語として,治療域〔p.134〕というものが臨床でよく用いられますが,これは安全域(LD50/ED50)とは異なり,薬物の効果があり,かつ副作用が出現しない血中濃度(有効血中濃度)のことを指します.治療域が広いほど安全性が高く,治療域が狭いほど安全性が低いといえます.医師LD50とED50の差が大きいED50TD50log[薬物用量]39.0℃37.5℃36.5℃LD50とED50の差が小さいTD50LD50ED50log[薬物用量]低い詳解・演習Pharmacology vol.4 : An Illustrated Reference Guide(%)10050(%)100LD5050大きいほど安全 安全域(治療係数)●「50%致死量(LD50)/50%有効量(ED50)」(LD50をED50で割った値)を安全域(治療係数)といい,薬物の安全性を表す指標として用いられる.●安全域が大きいことは,有効量と中毒量・致死量が大きく異なり,毒性が現れにくいことを示す.そのため,安全域が大きいほど安全性が高い.Advanced Study 2つの用量-反応関係●ED50,TD50,LD50のように,薬物のある投与量と,投与集団内で一定の反応を示した個体の割合の関係を,量子的用量-反応関係という.●一方,EC50のように,薬物のある投与量と,1つの個体が示す反応の効力の関係を,計量的用量-反応関係という.●細胞実験レベルで薬の反応を解析する場合や,概念として薬の反応を考える際には計量的用量-反応関係を用いる.しかし,計量的用量-反応関係は個体差が大きく,測定・解析しにくいため,医薬品開発においては量子的用量-反応関係が用いられる.安全域(治療係数):LD50/ED50安全性量子的用量-反応関係=安全域(LD50/ED50)が小さい計量的用量-反応関係反応の効力

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る