薬4-1版_立ち読み
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●服薬管理能力の低下〔p.337〕3剤処方2剤処方連携不足連携不足4剤処方●本来不要な薬剤の使用●無効な薬剤の使用●降圧薬によるふらつきに対して抗めまい薬〔薬②p.400〕を処方●ACE阻害薬〔薬①p.311〕による咳に対して鎮咳薬を処方●抗コリン薬〔薬①p.68〕による便秘に対して緩下剤を処方●重複処方●相互作用●内科で頭痛に対してNSAIDsを処方,さらに整形外科●シンバスタチン〔薬②p.65〕で脂質異常症を治療中に,爪白癬でイトラコナゾール〔薬③p.317〕を処方(併用禁忌薬)●ポリファーマシーとは,多数の薬剤を使用していることにより,薬物有害事象の増加やアドヒアランスの低下といった問題につながる状態のことである.●多剤服用でも適正な薬物療法が行われている状態とは区別される.●使用薬剤数のみで判定するものではないが,6種類以上が薬物有害事象の発生増加に関連したという報告があり,6種類以上という基準が使われることが多い.●高齢者は,多疾患ゆえに多剤服用になりやすく,加齢性変化により有害事象のリスクも高いことから,ポリファーマシーとなりやすい.●生理機能の低下〔p.334〕■■■■■■例薬■の副作用で受診薬■の副作用で受診薬■を処方薬■を処方薬■を処方 害をなす多剤服用 ポリファーマシーとは 多疾患の併存と連携・情報不足による ポリファーマシーの形成過程●高齢者では併存疾患が多いことによる多施設・多科受診によって多剤服用の状態になりやすい.●また,高齢者では薬物有害事象が生じやすく,薬物有害事象に対して薬剤で対処するという処方カスケードによっても使用薬剤数が増加しうる.●いずれの状況も,施設や医療者同士の連携・情報不足によって,重複処方や相互作用,不要な処方による有害事象の増加,すなわちポリファーマシーが形成される.監修清野 敏一angiotensin converting enzyme inhibitorPharmacology vol.4 : An Illustrated Reference Guide商品名【HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)】●シンバスタチン:リポバス 【トリアゾール系抗真菌薬】●イトラコナゾール:イトリゾール 略語●非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):non-steroidal anti-infl ammatory drugs ●アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬:340病院X連携不足病院Y連携不足病院Z多剤服用加齢性変化※医療費増大の原因ともなる多疾患による多施設・多科受診疾患A病院X門前薬局で腰痛に対してNSAIDsを処方(重複処方)ポリファーマシー(害をなす多剤服用)●相互作用の増加●副作用の増加●アドヒアランス低下(飲み間違い,飲み忘れの増加)疾患B疾患C診療科Y診療科Z門前薬局合計9剤医療機関の連携不足で処方全体が把握されない.ポリファーマシー●薬物有害事象増加●アドヒアランス低下処方カスケード疾患Aで受診また増えたポリファーマシー

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