●標準的治療薬はビスホスホネートだが,条件により薬剤を選択する.図は一例であり,薬剤の適応は患者ごとに検討する必要がある.●骨折による疼痛があるときは,カルシトニン製剤で疼痛を緩和してから治療を行う.●カルシトニン製剤* (痛覚抑制神経系〔中枢セロトニン神経系〕に作用)*カルシトニン製剤は椎体骨折以外の骨折では骨折予防効果は認められておらず,骨粗鬆症においては疼痛緩和目的で使用されることが多い.●ビスホスホネート●エストロゲン製剤●SERM●抗RANKL抗体薬●ビタミンD3誘導体●カルシトニン製剤*●イソフラボン製剤●カルシウム製剤●PTH製剤●PTHrPアナログ製剤●抗スクレロスチン抗体薬****骨吸収抑制作用も併せもつ.●副作用:深部静脈●注意:心血管イベント*著しい低骨量,または1個以上の椎体骨折をきたした例など.Pharmacology vol.2 : An Illustrated Reference Guide略 語●選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM):selective estrogen receptor modulator ●NF-κB活性化受容体リガンド(RANKL):receptor activator of NF-κB ligand ●副甲状腺ホルモン(PTH):parathyroid hormone/parathormone ●副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP):parathyroid hormone-related peptide+αもっとわかる112Ca2+Ca吸収第一選択効果が弱い,副作用が強い抗RANKL抗体薬〔p.118〕●副作用:低Ca血症●注意:妊婦で不可Ca2+ビスホスホネートを使いにくい閉経後比較的早期SERM〔p.114〕PTH製剤〔p.116〕●副作用:高Ca血症●注意:骨腫瘍不可Advanced Study 治療薬の選択の例 骨折を予防する薬が重要 治療薬の全体像●骨粗鬆症治療薬は,骨折を予防する薬と,痛みを抑制する薬に分けられる.●骨折を予防する薬は作用により3つに分けられ,❶骨代謝調整薬,❷骨吸収抑制薬,❸骨形成促進薬がある.●標準的治療薬であるビスホスホネートや選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は,骨粗鬆症の骨折危険率を30〜50%低下させる.Vit.D作用不足が疑われる中高年患者重症度が高い*骨折による疼痛骨粗鬆症専門医カルシトニン製剤〔p.120〕●副作用:顔面紅潮,悪心・嘔吐骨折を予防する薬■:促進 ■:抑制●❶骨代謝調整薬(腸管・腎臓からのCa吸収⬆もしくは基質蛋白の修飾)●ビタミンK2製剤●活性型ビタミンD3製剤ビスホスホネート〔p.113〕●副作用:胃腸障害,顎骨壊死●❷骨吸収抑制薬(破骨細胞に作用)骨吸収骨形成●❸骨形成促進薬(骨芽細胞に作用)骨粗鬆症血栓症痛みを抑制する薬痛みに対する治療には薬物療法以外にも骨折椎体内にセメントを入れる「椎体形成術」があり,十分な保存的治療を行っても痛みが緩和されない症例で適用されます.局所麻酔で経皮的に行うことができる,低侵襲の手術です.活性型Vit.D3製剤〔p.115〕●副作用:高Ca血症抗スクレロスチン抗体薬〔p.119〕●副作用:低Ca血症顎骨壊死
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