➡●喘息とCOPDのオーバーラップ(ACO):asthma and COPD overlap ●好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA):eosinophilic granulomatosis with polyangiitis 商品名【吸入ステロイド】●ベクロメタゾンプロピオン酸エステル:キュバール(吸入) ●フルチカゾンプロピオン酸エステル:フルタイド(吸入) ●ブデソニド:パルミコート(吸入) ●シクレソニド:オルベスコ(吸入) ●モメタゾンフランカルボン酸エステル:アズマネックス(吸入) 【抗IgE抗体】●オマリズマブ:ゾレア(注)●長時間作用型β2刺激薬との合剤としても使用される〔p.438〕.●ICSは,喘息では全ての症例に積極的に投与されるが,COPDでは喘息との合併例(ACO)〔p.440〕などに使用される.また,COPDではICSを単独投与することはなく,他の薬に追加(合剤への変更含む)して使用される.●ICSでみられる局所の副作用は,吸入後にうがいをして,口内に残った薬を除くことでほとんどが防止できる〔p.421〕.●高用量を長期で用いる場合には全身性の副作用が生じる可能性があるため,抗体製剤など別の薬物の使用も検討する.●季節性アレルギー性鼻炎〔p.487〕,特発性の慢性じんま疹〔p.503〕(いずれも既存治療で効果不十分なもの)にも適応がある.●本薬投与によりアナフィラキシーが生じる可能性がある.また,本薬投与中に経口ステロイドを減量・中止すると好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)が生じることがある.●オマリズマブなどの生物学的製剤は,増悪治療薬のアドレナリンと同じく皮下に投与する注射剤だが,発作や症状を速やかに軽減するものではなく,長期管理薬として使用される.薬物によって異なるが,2〜8週間ごとに皮下注投与することで,増悪回数の減少やステロイドの減量などの効果を示す.●ベクロメタゾン ●フルチカゾン ●ブデソニド ●シクレソニド ●モメタゾン●炎症細胞の肺・気道内への浸潤抑制●Th2細胞からのサイトカインの産生抑制●ロイコトリエン,プロスタグランジンの産生抑制●気管支喘息 ●COPD*●有効な抗菌薬の存在しない感染症・深在性真菌症●アナフィラキシー ●口腔および呼吸器カンジダ症 ●嗄声*COPDに対しては長時間作用型β2刺激薬との合剤のみが適応となっており,ステロイド単独は適応外使用となる.呼吸器系の疾患と薬喘息(気管支喘息)●アレルゲン(抗原)に曝露し,IgEが架橋されると,大量のケミカルメディエーターが放出され,炎症が引き起こされる.●アトピー型では,特定の抗原に対し,IgEを産生しやすい.●そのため,マスト細胞や好塩基球に結合しているIgEの数が多い.●オマリズマブは,IgEと結合してIgE-抗IgE抗体免疫複合体となり,マスト細胞や好塩基球とIgEの結合を阻害する.非投与時●IgE-抗IgE抗体免疫複合体は抗原を捕捉する作用ももつため,マスト細胞に固着したIgEと抗原との結合も阻害する.形形●また,オマリズマブには,FcεRⅠの発現を抑制する作用がある.投与時Pharmacology vol.2 : An Illustrated Reference Guide+αもっとわかる433IgEIgE コントローラーとしての第一選択薬 吸入ステロイド(ICS)●吸入ステロイド(ICS)は喘息治療における最も効果的な抗炎症薬である.●ステロイドには,注射剤(静注,筋注など),内用剤,吸入剤などの剤形があるが,副作用は吸入剤〔p.420〕が圧倒的に少ないため,喘息に対しては吸入剤が最も頻用されている. 抗IgE抗体 オマリズマブ●オマリズマブは,重症のアトピー型喘息に用いられるヒト化抗IgEモノクローナル抗体である.高親和性IgE受容体(FcεRⅠ)マスト細胞や好塩基球オマリズマブケミカルメディエーター一般名主な作用適応禁忌主な副作用感作時形質細胞感作時誘発時架橋抗原誘発時
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