侵入排除●異常細胞(腫瘍細胞など)の排除●老廃組織,老朽細胞などの除去●病原体,異物,ウイルス感染細胞の排除●ワクチン接種に対する免疫獲得●拒絶反応反応正常な●異物に対する免疫反応が過剰であるため,生体に傷害を与える.侵入排除●免疫能低下・免疫不全により感染防御能が低下する(感染の反復・重症化・難治化など).侵入異常な反応免疫免疫words & terms補体 樹状細胞(DC) 〔p.319〕代表的な抗原提示細胞であり,全身に広く分布する.組織内で抗原を取り込み,所属リンパ節へ移動して,T細胞へ抗原提示を行う.主に抗原提示を行う骨髄系樹状細胞(mDC)と,ウイルス核酸をTLRで検知してIFN-α/βを産生する形質細胞様樹状細胞(pDC)に大別される.インターロイキン(IL) 〔p.320〕主にリンパ球から分泌され,細胞間(inter-leukocyte)の情報伝達を担うサイトカイン.免疫反応を調整する〔病⑥p.7〕.IL-1,IL-10など,それぞれ機能が異なるサブタイプが存在し,現在40種類以上が知られている.Toll様受容体(TLR) 〔p.321〕樹状細胞,マクロファージ,上皮細胞などの表面に発現している受容体で,微生物の侵入を感知するセンサーの役割を担っている.TLRが微生物に特徴的な分子パターン(PAMPs)を認識することで,樹状細胞やマクロファージがヘルパーT細胞に対する抗原提示能力を発現し,獲得免疫も発動する.〔p.321〕血清中に存在し,生体防御に働く一連の蛋白質.抗体や細菌の表面において,一定の順序で活性化され,炎症反応の促進や病原体の排除などの作用を発揮する〔病⑥p.26〕.略 語●後天性免疫不全症候群(AIDS):acquired immunodeficiency syndrome ●Toll様受容体(TLR):Toll-like receptor ●病原体関連分子パターン(PAMPs):pathogen-associated molecular patterns ●樹状細胞(DC):dendritic cells ●骨髄系樹状細胞(mDC):myeloid dendritic cell ●インターフェロン(IFN):interferon ●形質細胞様樹状細胞(pDC):plasmacytoid dendritic cell ●インターロイキン(IL):interleukin監修楢崎 雅司病❻p.2318 自己と非自己 免疫とは●免疫とは,人体(自己)にとっての異物(病原微生物など)を「非自己」と判定して排除し,自己を守るためのシステムである.●非自己と判定され,抗体産生〔p.324〕などの免疫反応を誘導する物質を抗原という. 正常反応と異常反応 様々な免疫反応●免疫反応は,外来物質(病原体,異物,ウイルスに感染した細胞,他の個体の細胞など)や自己由来の物質(異常細胞や老廃組織など)を排除することで生体の恒常性の維持に役立っている.●しかし,免疫機能が正常に働かない場合には,易感染性(後天性免疫不全症候群〔AIDS〕など)・アレルギー・自己免疫疾患・悪性腫瘍などの,生体にとって不利な反応や疾患を生じる.判定します非自己自己自己由来の物質に対する免疫自己免疫疾患〔p.381〕悪性腫瘍〔薬③p.318〕正常細胞●正常細胞が異物として認識されることで,自己組織の障害などが起こる.腫瘍細胞●抗腫瘍免疫の低下によって悪性腫瘍が発生・増殖しやすくなる.免疫免疫免疫生体の免疫反応外来物質に対する免疫易感染性〔p.325〕アレルギー〔p.361〕病原体異物免疫総論
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