薬1-2版_立ち読み
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中枢神経系の疾患と薬鎮痛薬●ロイシン・エンケファリン●β-エンドルフィン●メチオニン・エンケファリン●ダイノルフィン ミューμ受容体(MOP) デルタ δ受容体(DOP)CB脳A❷❶A❶脊髄後角のオピオイド受容体を刺激する.❷1次ニューロンからの入力を抑制する.❸痛覚の伝導を抑制する.B❶中脳水道灰白質や延髄網様体〔病⑦p.46〕にある,抑制系GABA神経上のオピオイド受容体を刺激する.写真提供:鈴木 勉商品名【オピオイド鎮痛薬】●モルヒネ塩酸塩水和物:モルヒネ塩酸塩(錠,末,注),アンペック(注,坐),オプソ(内液),パシーフ(徐カ) ●モルヒネ硫酸塩水和物:MSコンチン(徐錠),MSツワイスロン(徐カ) 略 語●オピオイドμ受容体(MOP):mu-opioid receptor ●オピオイドδ受容体(DOP):delta-opioid receptor ●オピオイドκ受容体(KOP):kappa-opioid receptor ●γ-アミノ酪酸(GABA):γ-aminobutyric acid125 アヘン(オピウム)類縁物質 オピオイド●アヘンは,モルヒネ,コデインなどのアルカロイド〔p.80〕を多く含有する.●アヘンに含まれるモルヒネなどの麻薬性鎮痛薬,関連合成鎮痛薬,体内で分泌される内因性モルヒネ様ペプチドなど,オピオイド受容体に親和性を示す物質を,オピオイドと総称する.このうち,鎮痛作用を有する薬物をオピオイド鎮痛薬とよぶ.●アヘンは,ケシの未熟果実に傷をつけて得られた乳液を乾燥させたものである. μ,δ,κのタイプがある オピオイド受容体●オピオイド鎮痛薬は,中枢神経内に広く分布するオピオイド受容体(μ,δ,κ受容体)に結合して,鎮痛作用を示す.●どのタイプに強く作用するかは,オピオイドにより異なるが,多くのオピオイドは,鎮痛効果の強いμ受容体への作用をもつ. 鎮痛作用のしくみ オピオイド鎮痛薬の作用部位●オピオイド受容体は,大脳皮質,視床,中脳,延髄,脊髄後角などに存在する.●オピオイド鎮痛薬は,各部位のオピオイド受容体に結合し,上行性痛覚伝達系の抑制,下行性痛覚抑制系の亢進により,鎮痛作用をもたらす.●❸●❸Pharmacology vol.1 : An Illustrated Reference Guideケシの未熟果実分泌された乳液状樹脂主な発現部位脊髄オピオイド受容体上行性痛覚伝達系⬇GABA神経系採取・乾燥アヘン(モルヒネなどを含む)鎮痛効果内因性オピオイド強い弱い弱い痛くない!〔中枢〕知覚野(大脳皮質)●❶視床●❷(間脳)中脳●❶延髄脊髄後角●❷●❸下行性痛覚抑制系⬆オピオイド鎮痛薬の主な作用❷脱抑制により,下行性痛覚抑制系を亢進する.❸脊髄での痛覚伝導を抑制する.C❶視床のオピオイド受容体を刺激する.❷2次ニューロン,3次ニューロンの伝達を抑制する.❸痛覚の伝導を抑制する. カッパκ受容体(KOP)オピオイド受容体オピオイド鎮痛薬痛み刺激〔末梢〕オピオイド

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