こうみえ
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●政策分野別にみると,「高齢」が約5割,「保健医療」が約3割であり,この2つの分野で約8割を占めている.●社会保障給付費の財源は「社会保険料」約6割,「公費負担」約4割で賄われている.●医療施設や救急医療を整備し,国民の健康増進,疾病予防を図る.生活および労働における環境衛生を整える.●国民皆保険のもと,傷病の際に必要な医療を効果的に受けられることを保障する.難病や被爆による疾患に対する費用の給付も行われる.●高齢者,児童,障害者などハンディキャップを抱える者が生活に困窮しないよう扶助し,自立して自身の能力を発揮できるように支援する.●疾病,老齢,失業によって生活困窮に陥った者に困窮の程度に応じ必要な保護を行い,最低限度の生活を営むための金銭を給付する.意義制度0●感染症対策●環境汚染対策●労働衛生対策●医療保険●公費負担医療●高齢者福祉●母子福祉●児童福祉●障害者福祉4本の柱が重層的に人々の生活を支え,社会保障の役割を担っている●年金制度●生活保護10000壱万円10000壱万円構成されているといえる.154(年度)198514.4 16.7 18.6 19901995200020052010201520194.623.8 5.024.7 33.1 7.326.6 40.5 11.328.7 46.1 14.033.6 52.2 38.6 54.1 40.7 55.5 2040608019.524.227.7100120140社会福祉(p.158)社会保障給付費の推移医療保障(p.160)総額123.9兆円(兆円)資料:国立社会保障・人口問題研究所「社会保障費用統計」社会保障を支える4本の柱所得保障(p.156)求人戦後,日本国憲法の施行を受けて,社会保障制度は本格的に整えられていきました.1950年,社会保障制度審議会による「社会保障制度に関する勧告」では,社会保障制度は「社会保険」「社会福祉」「公的扶助」「公衆衛生」の4つの柱から成り立つものと定義されました.しかし,少子高齢化,経済の安定成長といった時代の変化とともに,社会保障の目的は貧困に陥るのを防ぐだけでなく,生活を豊かにしていく,という積極的なものに変わりつつあります.このため,多様化した社会保障の役割を理解しやすいように,上記の概念的な分類ではなく実際の役割によって分類する(「所得保障」「社会福祉」「医療保障」「公衆衛生」)こともあります.本章ではこちらの分類に沿って,社会保障制度を解説していきます.公衆衛生:医療:年金:福祉その他福祉その他(介護含む)の給付費は20年間で3倍以上に増加. 社会保障制度の4本柱●社会保障を担う制度を役割の面からみてみると,所得保障,社会福祉,医療保障,公衆衛生の4本柱で 社会保障給付費の現状●社会保障給付費は全体で120兆円を超えている(2019年度).部門別にみると,「年金」「医療」「福祉その他」の順に多い.社会保障をどう定義するか

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