こうみえ
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●経済協力開発機構(OECD):Organisation for Economic Co-operation and Development9876543210005●対国民所得比(国民所得に対する国民医療費の割合)は長い間上昇傾向であり,2009年度には10%を超対国民所得比国民医療費国民所得医療費国民医療費えたが,2011年度以降は横ばいである.16950403020101980昭和55'8560'90平成2'957200012'0517資料:厚生労働省「国民医療費」「後期高齢者医療事業状況報告」16.811.711.111.010.21015資料:OECD Health Statistics(兆円)構成割合対国民所得比11.06%国民医療費44兆3,895億円後期高齢者医療費17兆562億円医療費が国民に対してどのくらい負担を強いているか,それをみる指標には「対国民所得比」が用いられています.しかし,諸外国との国際比較をしようとする際には「対GDP比」が用いられます.これはなぜでしょうか?国民所得というのは,海外からの所得移転を含んだ数字です.対して国内総生産(GDP)とは,その名の通り海外からの所得移転を含まない,国内のみの経済の成長を表す数字です.つまり,国民全体の経済活動を観察したいときは対国民所得比を用い,国単位の経済活動という観点で比較・検討したい場合は「対GDP比」を用いているのです.このため,左図のようなOECDの調査などで諸外国間の経済活動を比べる際には「対GDP比」が使われています.12(%)1110'1022'1527'19令和元20(%)2000年介護保険制度施行.介護保険に移行した分が除外され見かけ上減少.(年度)国民所得はほぼ横ばいなため,国民医療費が増えると,国民所得に対する割合が自ずと増えることになります.後期高齢者医療費は国民医療費の38.4%(2019年度).2001〜2005年度まで横ばいだったのは,段階的に70→75歳と引き上げたため.1997年度➡現在国民医療費と対国民所得比の推移国民所得の伸びが停滞する一方,国民医療費は増加し続けているため,対国民所得比は上昇している.医療費対GDP比の国際比較(2019年)アメリカドイツフランス日本イギリス 国民医療費の推移●国民医療費は,国民皆保険が達成された1961年以降,増加の一途をたどっている.介護保険制度の施行や診療報酬改定の影響で減少した年があるものの,毎年約1兆円に近いペースで増加している.2019年度は前年度より2.3%の増加となった. 医療費の国際比較(対GDP比)●日本の医療費のGDPに対する割合を他の先進国と比べると,同程度の水準となっているが,高齢化などを背景に上昇傾向にある.ただし,各国間で医療制度は異なるので,単純な比較には注意が必要である.国民所得と国内総生産(GDP)

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