ここみえ
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●精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM):diagnostic and statistical manual of mental disorders ●易疲労性:easy fatigability●抑うつ状態:depressive state ●躁状態:manic state ●物質・医薬品誘発性抑うつ症:substance/medication‒induced depressive disorder ●他の医学的状態による抑うつ症:depressive disorder due to another medical condition●うつ病と診断するためには,抑うつ状態が抑うつエピソードの基準(症状の数,重症度,持続期間)を満たす必要がある.気分*自殺念慮・自殺企図は毎日でなくてよい●抑うつエピソードの基準を満たさない程度の抑うつ状態(閾値以下の抑うつ状態)では,うつ病以外の抑うつ症を考える〔p.112〕.●うつ病●うつ病は,抑うつ状態が抑うつエピソードを満たすほどに重度であり,●まずは,他の物質(アルコール,薬物など),身体疾患による抑うつ状態●また,同じく気分の障害を主徴とする双極症の鑑別が重要である.●双極症〔p.140〕●他の抑うつ症〔p.112〕●物質・医薬品誘発性抑うつ症〔p.332〕●身体疾患による抑うつ症〔p.325〕気分●うつ病と双極症では有効な治療薬が異なるため,両者の鑑別は重要である.抑うつ状態の患者をみたら,過去に躁状態がなかったか確認することが重要です.ただし,躁状態は本人が異常ととらえていないこともあるため,うつ病と診断しても,双極症の可能性は考えながら診療する必要があります〔p.143〕.●うつ病と診断しても,経過中に躁状態を生じた場合には双極症に診断を変更する.●これまでに抑うつ状態しか経験したことがない場合にはうつ病と診断する.●現在は抑うつ状態であっても,過去に躁状態がある場合には双極症と診断する.118HighLowLow うつ病の診断に足るほどの抑うつ状態 抑うつエピソード(DSM-5) 重度の抑うつ状態で,他の原因を除外 診断の流れ 抑うつ状態≠うつ病 双極症の可能性●抑うつ状態は,うつ病に代表的な症候今の気分とは反対に,気分が高揚したり,活力に満ち溢れて感じたりすることはありましたか?あったかな〜?❶か❷を必ず含む他の原因を鑑別・除外することで診断する.を鑑別する.なしあり過去に躁状態を経験している可能性がある.過去に躁状態合計5個以上抑うつ状態ほぼ毎日*,2週間以上続く抑うつエピソード抑うつエピソード満たす満たさない過去現在抑うつ状態うつ病?抑うつ状態のみ双極症うつ病0週1週2週3週4週苦痛や,日常生活・社会生活に支障をきたすほどに重度躁状態なしあり未来今後,躁状態が現れる可能性がある.経過中に躁状態診断変更双極症抑うつ症状❶抑うつ気分❷興味・喜びの喪失❸食欲・体重の変化❹睡眠障害❺精神運動焦燥・制止❻気力減退,易疲労性❼無価値観,罪責感❽思考力・集中力の減退,決断困難❾自殺念慮・自殺企図基本症状その他の症状抑うつ状態あり他の物質や身体疾患主な鑑別疾患であるが,双極症〔p.140〕でも生じる.診断・症状

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